「神の家族」

2021年5/16 第三主日礼拝
ー西本耕一牧師ー

 


音声メッセージです。

 

メッセージ動画はこちらからご覧いただけます。

 

【聖書】エペソ人への手紙 第2章17~22節
:17
また、キリストは来て、遠くにいたあなたがたに平和を、また近くにいた人々にも平和を、福音として伝えられました。
:18
このキリストを通して、私たち二つのものが、一つの御霊によって御父に近づくことができるのです。
:19
こういうわけで、あなたがたは、もはや他国人でも寄留者でもなく、聖徒たちと同じ国の民であり、神の家族なのです。
:20
使徒たちや預言者たちという土台の上に建てられていて、キリスト・イエスご自身がその要の石です。
:
21 このキリストにあって、建物の全体が組み合わされて成長し、主にある聖なる宮となります。
:22
あなたがたも、このキリストにあって、ともに築き上げられ、御霊によって神の御住まいとなるのです。

 

メッセージ概要

 今私たちは平和で豊かな生活をしているのではないかと思います。しかしそれは必ずしも「幸福だ」とは言い切れないかもしれません。「私は今、幸せですけど、将来のことを考えると不安でたまりません」というのは本当の幸福だと言えないかもしれません。

1,キリストが与える平和
 17 節に「平和」という言葉が出ています。今イスラエルでパレスチナとの間に紛争が起こっています。悲しいことです。人の力で「平和」を作り出すことは大変なことであると思います。このところでも、「遠くにいた あなたがた 」と「近くにいた 人々 」とありますが元々は異邦人とユダヤ人の区別であると言われています。エルサレムの神殿でも、異邦人の庭があり 、そこより中に 異邦人は入れませんでした。 しかし教会で はその区別はありません。また 現在、 エルサレムにはユダヤ人の神殿は建っていません。モスクが建っています。不思議なことです。そして私たちが目指すのは、この世で立 派な神殿を建築することではなく、実は 、後で出てくる「聖なる宮」「神の御住まい」が私たちの内に建てられることが大切なのです。

 言わば自分自身が神の神殿、神様が私の心に宿っておられる、私自身がそのような存 在となることです。その人の内側から神の栄光が輝き出てくる、そのような人となることです。

 そのために一番必要なものは何か。「平和」です。別の言葉で言えば平安です。あなたの心は平安で満ちているでしょうか。ある人は「和らぎ」と言いました。人と和らぐ。争いごとがない。相手をいたわり、また慰めることができる。この平和 平安がなければ本当に幸せだと言うことができないのです。

 しかし、神様は私たちにこの「平和」平安を与えて下さるのです。それは 18 節にある「キリストを通して」キリストによって与えられるのです。あのガリラ ヤ湖で嵐に遭ったとき弟子たちは、「死にそうです」と騒ぎ立てました。しかしイエス様は波風に向かって、「黙れ、静まれ」と言われ、波風は止
み 、静かになったのです。また、復活された夜にも弟子たちに現れ「平安あれ」といわれ 、不安に恐れおののいていた弟子たちは主を見て喜んだのです。

 ですから私たちに必要なのは、キリストによって平安が与えられることです。また、二つの異なった者が、キリストによって一つとされる。キリストによる十字架のゆるし、また和解が必要です。

 私たちは仲たがいしていて、神の前に出ることはできません。しかし キリストの十字架によって赦し合い愛し合って、神の御前に出ることができるのです。

2,神の家族―キリストによって建てられる
 教会とは別の言葉で言うなら 19 節にある「神の家族」です。教会ではお互いのことを兄弟姉妹と呼び合うのもその実例です。もはや他国人でも 、 寄留者 よそ者ではないのです。信仰による「神の家族」です。そして私たちの国籍は天にあるのです。この世には生きていますが、この世のものではありません。天国の国籍が与えられて 、天国に 入ることができるのです。

 私たちは神の家族ですが、「聖なる宮」「神の御住まい」でもあります。その土台は、使徒たち預言者たち、すなわち聖書の言葉です。神のみことばの土台に、キリストご自身が要石(かなめいし)となって、私たちは互いに組み合わされ、そして一緒に成長していくのです。ですから一人だけが立派になって 、他はそうではない 。 そのようなことはあり得ません。それは不健全な成長です。みんなが共に成長するのが「主にある聖なる宮」であり御霊によって神の住まわれる所となるのです。

 私たちの交わりには十字架が必要です。互いに相手の罪を赦すことです。自分のためだけではなく、その人のためにも十字架にかかり赦されたのです 。そして御霊の励まし、助け主御聖霊は私たちの心の中にあって、「これが道だ、これに歩め」と励まして下さるのです。

 私たちはますます、キリストに似た者として御聖霊によって成長させていただきましょう。

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